奥土農場 石窯パン工房
新婚旅行で、北海道へ行きました。
馬に乗りました。
そこで、パン屋さんも行こうと。
できれば、私たちの目標と同じように農家とパン屋をしてるところないかなと、探していたら、奥土農場さんを見つけました。
Facebookをされていたので、メッセージを送って、話を伺いたいとお願いしました。
ニセコ町の田舎道に看板が出てます。
奥に車で入っていくと、ありました。パン工房。
いらっしゃいませと、奥から現れたのは御年70歳のお父さん。
お薦めを伺ったのをきっかけに、一時間くらい、色々な経験談とアドバイスをお話ししてくださいました。
奥土農場さんのお父さんは神戸のご出身。偶然にも私と同じ、兵庫県民でした。
20代の頃にドイツに農業や畜産などの勉強に行かれていたご経験から、牛飼いになりたいと思い、北海道へ入植されたとのことです。
最初に選んだ地域は、開発が進み、土地を広げるのが難しくなったことから、
現在のニセコに移ってきたそうです。
生きるために、いもなどの野菜を作り始め、
その食材を生かして、生活費を稼ぐためにパン工房も始められたようで、
始めからパンを作るつもりではなかったようです。
四人のお子さんがいらっしゃって、
麦の収穫の時期には、雨のふるまえに収穫を済ませるため(乾燥機がないため)、学校を早退して、家族総出で、時には月明かりで作業することもあったそうです。
他にもエピソードを伺いましたが、本当に苦労の連続で今まで必死でやってこられたのだなと、感じました。
特におっしゃられていたのは、
すべてにこだわってしまったから、大変苦労したと。家族にも苦労をかけたとおっしゃられていました。
だからあなたたちも、やりたそうな顔してるけど、やるなら、こだわるのは絞り込んだ方が良いとなんどもおっしゃられていました。
極力自分達の作った材料をつかうということや、
パンの生地の種類の多さ、
また北海道という土地を選んだことなど、
お父さんのこだわりが、
皆を苦労させてしまったということでしょう。
40年くらい前のことですから、今以上に苦労が多かったと思います。
今でこそ情報を得るのも、発信するのも昔と比べると圧倒的に手軽でコストも低いです。ネットもなにもなかった時代に始められて、ここまでやってこられたというのは、本当にすごいことで、御家族のご努力の賜物だと思い、本当に尊敬します。
こだわりが過ぎたとおっしゃられていましたが、それは今の時代にはちょうど良いかなと思ってます。
かつては、食は質より量、変わったものより均一化されたものが必要とされてきましたが、
経済的に豊かになり、人口も減少する時代には、食にこだわる人も増えてきました。
そんななかでも、材料の一から十まで、生産者の顔が分かり、信用できるようなパンを作っておられるのは、本当に稀少で、
価値があります。
これからの時代にも間違いなく必要なパン屋さんです。
今以上に有名になることが、奥土農場さんのみなさんの幸せに繋がるかどうかはわかりませんが、もっと、沢山の人に知ってもらいたいパン屋さんです。
石窯を見せてもらいそびれたのが、少し心残りです。
また北海道に行く際には必ず行きたいと思ってます。
奥土農場さんのFacebookページです。
https://m.facebook.com/pg/okutsuchi1979/about/?ref=page_internal&mt_nav=0