たたらパンへの道

会社を退職して農家パンを始めるまでの道のりです。まだ始まったばかり。

農家パンのビジョン

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写真は、スペルト小麦。立派な実をつけてくれてます。

今回は、私たちがどういう農家になりたいかを書いていきます。
まず、大きく5つ。


①無農薬、無化学肥料
②多品目、固定種、自家採種、非遺伝子組み換え
③時間をかけて高品質
④料理と、釣り
⑤パンと石窯

それぞれ説明していきます。



①無農薬、無化学肥料

農薬は、専門的に学んだ訳ではないので、難しいことはわかりませんが、
人間のからだや、自然にとって悪いものだということは確かだと考えています。
農薬は今までの日本の高度成長を支える食料の安定供給をもたらしたことは事実だと思います。ですが、これからは、量から質へ、ストーリーへと変わる時代です。
多少高くとも、安全安心の無農薬、無化学肥料の、自然のパワー、自然の美味しさの詰まった野菜のニーズが高まっていきます。
そしてなにより、自身が食べたい、美味しいと思う方法で野菜作りがしたいという思いが一番です。



②多品目、固定種、自家採種、非遺伝子組み換え

多品目は、単純に、色んな野菜を食べたいし、食べてもらいたいからです。個人向けの野菜セットもやりたいなと思います。
また、多品目にすることで、どれかが失敗したときのリスク回避にもなります。

次に、固定種。
種も人と同じで、親から子へ、その特長が受け継がれます。
その場所で育ちやすいものなどを代々種取りして、同じ特長の種に固定していったものが固定種です。

それに対して、F1と呼ばれる種があります。
それは、全く同じ味や形、同じ特長の作物がほぼ同じスピードで出来る種です。
安定して同じ品質同じ形のものが、同じスピードでできるのは、大量に卸売業者とやり取りするときにはメリットです。

F1は、出したい特長をもった親を掛け合わせて作ります。
また、かつては、掛け合わせたいもの同士以外が受粉しないように、一つ一つネットをかけるなどして手間をかけていました。
ですが、あるとき、普通は雌しべ雄しべがあるところ、突然変異で、雌雄のどちらかが欠けたものが出てきました。それを利用して、わざわざネットをかけるなどしなくても、楽に掛け合わせることができるようになりました。
F1の欠点としては、その特長は一代限りで、種取りしてつくった二代目は、一代目とは全く違った特長のものができてしまいます。人の隔世遺伝のようなイメージです。
ですから、種取り出来ないことになります。これは種会社には好都合です。F1が広まってからは、種は毎年買うというのが、普通になりました。
これはよく考えると、農家にとってはリスクです。種がなければ、粉の無いパン屋のように、なにも作ることができません。
必須のものを他に依存するのは、これからなにが起こるかわからない時代にはリスクです。
この点からも、種取りをして、自分達だけで、循環させていきたいと考えています。
そして、何年もかけて自分達独自の、その土地独自の種をブランド化していけたらなとも思います。

遺伝子組み換えについては、
大きく二つあります。
一つは、除草剤に強いもの。
もう一つは、害虫に強いもの。
品種改良とは違い、直接的に遺伝子に働きかけることで必要不可欠特長を組み込んでいくイメージです。
植物に、虫の遺伝子を組み込むこともあるようで、化学的なことはわかりませんが、なんだか恐いですね。
安全性云々の話もありますが、それ抜きにしてもやはり、自然界の中では、起こり得ないことなので、不安に思います。
また、実は知らない間に遺伝子組み換え作物は既に日本に入ってきています。
家畜のえさとして輸入されたり、
実際に私たちが食べるものにも入っているようです。食品のラベルには、遺伝子組み換えかどうかが記載されています。ですが、法律の抜け道として、例えば、サンドイッチのラベルの場合、サンドイッチの具材などは表示義務がありますが、サンドイッチのパンは、何を使ってつくったパンであるかは表示義務がありません。
法律上は、そのパンに遺伝子組み換え作物が使われていたとしても表示の必要はがありません。

安全性が認められていたとしても、
もしかしたら、長期的、超長期的にみたら、なにかつけが回ってくるのかもしれません。
人は自然は越えられないと思います。
ですので、私たちは遺伝子組み換えには反対です。

③時間をかけて高品質

まだ勉強不足ですが、
農業の基本は土作りと思います。
化学肥料なしにつくるには時間がかかります。
作物の成長に欠かせない、栄養と水。
栄養は有機物。有機物のほどよくあり、水捌けと保水力が適度な土が、作物にとって成長しやすい土です。
自然のサイクルはゆっくりですので、自然の力と、人間の自然の知恵を掛け合わせても、なかなか時間がかかります。
スタンスとしては、完全に自然の力のみではなく、人間の知恵を、自然にとって優しい程度に生かすことも大切だと考えています。
即席でなく、ゆっくり時間をかけて作った土は、自然のパワーに溢れていて、持続力もあると考えています。
焦らずじっくり土をつくることで、高品質な作物へと繋がります。

④料理と釣りと牛と鶏

料理は昔から好きで、誰かに食べてもらうのが特に好きです。
大学時代のアルバイトの居酒屋では、本格的に教わりました。
焼き物や、揚げ物、刺身、だし巻きなど居酒屋レベルではできます。
就職してからはパンしかできてないのですが、ついに料理を教わるチャンスがきました。
師匠のお義父さんが料理人で、今はお弁当屋さんをしています。
そこで、料理の方も教えてもらいたいと思います。
そこで、料理の技術を教わって、いつかは農家カフェみたいにできたら面白そうです。

また、釣りもまだ始めたばかりですが、歩いて釣りに直ぐ行ける環境にあるので、釣りの腕も磨いて、晩御飯をつりにいけたら理想的です。おいおいは船を出してつりも最高です。

牛と鶏はほぼペットです。
動物好きなので。
牛乳や卵も採れたらラッキー程度の期待で、採れるときだけ、食卓や、パンに活用するくらいの感じで、本格的に畜産には手は出さないと思います。
犬も飼えたら理想的。ちなみにボーダーコリーがよい。

⑤パン たたらパン

パンは前も書きましたが、
自家製の食材を使い、手捏ね、薪の石窯、自家製酵母でやりたい。
それを基本に、本当に美味しいと思えるスタイルを確立させていきたいです。

京丹後の弥栄窯さんのようなスタイルが、カッコいい生き方だなと思います。
今度、復旧のお手伝いにいくことになりました。
色々とお話も聞いておきたいなぁと思います。


以上の大きく5つのことを骨子として私たちたたらパン農園(仮)をつくっていきたいなぁと思います。
自分達が幸せに暮らしながら、
周りの人にも幸せを届けられるような、生き方、働き方をしていきたいです。
まだ、ぼんやりしている部分は多いですが、とりあえずは今出来ることを精一杯取り組んでやっていきます。
一番大切な家族への思いやりも忘れずに。
もっと良くなれる。
前向きに。
生きる。
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